もの忘れ外来でやっていること、「できることは何?」
自分自身や奥さん、ご主人、お父さん、お母さんなど身近な人が、「最近、もの忘れがひどくなったなあ」とか「前はすらすらできたパソコンがつかえなくなったなあ」「散歩に出たら、いつもの道で迷っちゃった」とかそんなことがあったら、ぜひ受診をしてほしい外来です。
認知症専門外来ですが、認知症になっているかどうかわからない、あるいはよく似ているけど違う病気かもしれないということを、きちんと調べる外来でもあります。
週間外来担当表・受付時間
8:30〜11:30
9:00〜12:00
月 | ー |
---|---|
火 | 服部 英幸 |
水 | 服部 英幸 |
木 | ー |
金 | 服部 英幸 |
土 | ー |
日 | ー |
診療日:火曜日、水曜日、金曜日
外来受診は全て予約制です。
「もの忘れ外来の予約」とお申し付け下さい。
ご予約
052-821-7701(代表)
こんなときにご相談ください
思い当たることがあったら、ご相談ください。
- ついさっきの事を忘れている
- さがし物が多くなった
- 料理や趣味ができなくなった、やる気をなくした
- 予定をすっぽかす
- 朝と夜を間違える。曜日を間違える
- 身だしなみや食べ物に無関心になった
- 何度も同じ話をする
- 慣れた道で迷う
- その場にいない人やものが見えるという
当院でできる検査と治療
MRI検査
CT検査
脳波検査
- 心電図検査
-
血液検査、尿検査
認知症に関係のあるビタミンやホルモンの測定を含みます。主要な検査は院内で迅速検査が可能です
-
心理検査
記憶や認知の詳細な検査です
担当医の紹介
服部 英幸
- 医師免許取得
- 1981年
- 資格
-
精神科指導医
精神保健指定医
精神科専門医
日本老年精神医学会専門医
日本認知症学会専門医
認知症サポート医 - 著書
-
- 「在宅支援のための認知症BPSD対応ハンドブック」ライフサイエンス(2016)
- 「BPSD初期対応ガイドライン改訂版」ライフサイエンス(2018)
生まれは神話の国、島根県です。大阪大学医学部を卒業して、精神科教室に入りました。以後ずっと、認知症をはじめとする高齢者の精神疾患を中心に診療してきました。途中、大学の病理学教室で顕微鏡を覗く研究生活をしたり、精神科を離れて老年内科医として診療していた時期もあります。直近では2003年から2020年6月まで、大府にあります国立長寿医療研究センターで老年精神科診療を行っていました。
日本は高齢化がすすみ、認知症やうつ病など高齢者に多い精神疾患が増加しています。認知症は高齢者の5人に1人は発症するとされ、社会的にも重大な問題です。認知症診療は単に薬を出せばいいというものではなく、認知症の人とその家族、介護者を含めた総合的な支援が重要です。高齢者の心身両面と生活の全体を地域の中で支えられるお手伝いができることをめざしていきます。
受診の流れ
-
初診
ケースワーカーや看護師が、簡単に現在の困りごと、服用しているお薬についてお聞きしたあと、高齢者総合機能評価、オーラルフレイルチェックをおこないます。
精神保健福祉士
(ケースワーカー)
小笠原眞紀看護師
吉川里香高齢者総合機能評価(CGA)
高齢者ではこころの状態とからだの状態が、他の年齢層以上に密接に結びついています。体調が悪いと、頭の病気でもないのにもの忘れがひどくなったり、うつになったりします。逆に、認知症になると、人によっては歩行障害や転倒、骨折などが起こりやすくなります。もの忘れ外来では、単に認知機能の検査だけを行うのではなく、広く生活機能や身体状態についても調べます。
主なチェック項目
アンケート形式のため短時間で行えます。- 身体機能
身長、体重、転倒しやすさ、生活習慣病の有無などについて評価し、血液検査、心電図検査で、内臓機能を調べます。
- 生活機能
洗面、排泄などの身の回りの基本的な生活機能から、金銭の管理、家事の能力などの複雑な能力まで、幅広く状態を把握します。
- 簡単なもの忘れ検査
初診の段階では最近のことを覚えているか、時間や場所はしっかりと分かっているかなど、ごく簡単な検査を行い、医師の診察後、必要に応じて詳細な検査を実施します。
- 介護の状況
介護する人の困りごとや介護保険の利用状況について調べます。
- うつ、その他の精神状態
うつ気分が強いか、幻覚があるかなどを調べます。
認知機能の検査だけでは分からない、その人自身の身体状態や生活レベルに応じた治療や支援を行っていくことができます。
オーラルフレイルチェック
噛む力、飲み込む力の低下と他の身体能力との関連が注目され、オーラルフレイルと呼ばれています。オーラルフレイルは認知機能と関連し、悪影響を及ぼしていることが明らかになっています。もの忘れ外来では、オーラルフレイルチェックを行い、必要に応じて当院歯科での詳細な検査・治療を受けていただくようお願いしています。
- 身体機能
-
医師の診察
認知症専門医が時間をかけ、問診、身体所見をとります。
-
詳細な検査(予約制)
医師の診察の結果に応じて、さらに詳細な検査を行います。
詳細な認知機能検査
初診の認知機能検査より踏み込んだ検査で、専門の公認心理師が時間をかけて検査します。言葉の記憶、図形の記憶、空間認知など、認知機能のすべての領域について深く掘り下げます。認知症診断やその後の治療方針決定、支援体制づくりに関連する重要な検査です。
頭部MRI検査あるいはCT検査
認知症と診断された後で、その原因を調べるための検査です。通常はMRI検査を受けていただきますが、体内に金属が入っている方や、じっとしていることが難しい場合はCT検査を行います。
脳波検査
脳の働きをリアルタイムに調べることができます。特に力を発揮するのが、てんかんの診断です。最近、高齢者の認知症のなかにてんかんが原因であることが多く報告されており、重要な検査となっています。
-
2回目の診察
すべての検査が終了した後、2回目の医師の診察となります。ここでは、検査結果とそれに基づいた診断をお知らせし、治療方針を説明します。
単に薬を処方するということだけでなく、認知症の進行抑制という観点から、食事、生活全般について相談に応じます。また、介護サービスなどの利用に関する相談についても、積極的に承っています。
治療方針が決定したら、当院での通院治療をしていただいてもいいですし、かかりつけの先生にお願いされる場合は、検査結果等について診療情報提供書を作成させいただきます。その場合でも、半年か1年に1回、あるいは認知症が悪化した場合にも再受診していただくことをお勧めします。
入院に関して
認知症では、もの忘れ以外に、さまざまな精神症状・行動異常が出現することがあります。これをBPSDということもあります。BPSDには、昼と夜がさかさまで夜眠らない状態であるとか、お金や通帳を盗まれたと思い込む「ものとられ妄想」、見えないものがみえる幻視などがあります。当院には精神科病棟があり、認知症BPSDの入院治療を行うことが可能です。
BPSDがあるからといって、すべての人が入院対象になるわけではありませんが、次のような状態では入院治療をおすすめします。
- BPSDの症状が、家庭や介護施設では介護できないほど激しい場合。大声、激しい怒り、暴力で警察沙汰になるような場合。
- 身体疾患があるのに、薬の管理ができず、症状が悪化するおそれがある場合。一般病院ではBPSDがあると治療できないことがあります。当院は一般病院ではありませんが、内科、整形外科、歯科の常勤医が可能な範囲で対応します。
- BPSDのために生活が破綻してしまい、ゴミ屋敷になったり犯罪被害に遭いそうな場合。BPSD治療を行い、その後の介護体制づくりを支援します。
状態が安定したら、できるだけ早く退院していただき、長期入院は避けたいと考えています。3カ月以内の退院をお願いしています。
家族相談について
もの忘れ外来には、専任の看護師と精神保健福祉士(ケースワーカー)が在籍しています。患者さんご本人に関すること、介護をしているご家族に関すること、転院や入院のご相談、本人が受診を嫌がっている場合の対応、医療費のご心配など、種々のご相談内容をお聞きし、専門職の立場でアドバイスをさせていただきます。また、必要に応じて、お住まいの地域のいきいき支援センターや、認知症初期集中チームとも連携し、支援体制のコーディネートをご提案致します。
こんなときにご相談ください
- 転院や入院のご相談
- 障害者手帳や障害者自立支援医療証、障害年金の利用案内
- 本人が受診を嫌がっていて、なかなか受診ができない
- ご本人が通帳や印鑑等の管理ができなくなった際の成年後見制度の利用に関するご案内および申立てに必要な診断書や鑑定書の作成のご依頼
- 医療保険や介護保険制度に関する各種制度の利用案内
- 医療費や介護施設の利用料の減免に関する制度のご案内
- その他、認知症の医療や介護に関するご相談
まずは、お気軽にご相談下さい。
相談時間
月〜金曜日 | 9:00〜16:00(予約制) |
---|
ご予約
052-821-7701(代表)
予約の際に「認知症家族相談の申し込み希望」とお申し付けください