認知症よもやま話

認知症よもやま話

あいせい紀年病院は、令和6年4月1日をもって、名古屋市認知症疾患医療センターとして指定をされました。今回は認知症疾患医療センターについてお話します。

その5認知症疾患医療センターについて

認知症疾患医療センター(以下センター)とは?

ほかの慢性疾患も同じなのですが、認知症になってなにが困るかというと、日々の暮らしがそれまでのようにはいかなくなることなんです。アルツハイマー型認知症ですと、体はよく動くのに、道に迷って買い物にいけない、料理が作れない、お金が払えない、自分の体に無頓着になって身体の病気があるのに薬を嫌がるなどです。本人だけでなく、周りのひとも困るわけですね。だから認知症の医療・介護は、その人が住んでいる地域の全体から考える必要があるのです。それには、多くの職種の人が関わることが必要です。
センターは、介護、看護、福祉などの職種の人と協力しながら、医療の立場から認知症の人を地域でささえる中心となることが求められている機関で、平成20年から発足し、現在全国500か所程度が指定をされています。

 

センターがやっている仕事は何?

センターの仕事をまとめると以下のようになります。いろいろとやっているんですよね。

(1)外来診療
いわゆる物忘れ外来です。受診した人が認知症なのか、だとしたら原因は何なのかを検査を通してはっきりさせます。

(2)認知症の精神症状と身体合併症への入院治療
外来ではなかなか対応できないような激しい精神症状や身体合併症の入院治療を行います。あいせい紀年病院は、精神科病院ですので、精神症状のための入院治療を行いますが、重症でない身体疾患の治療もやっています。

(3)専門医療相談
これはとても大事な仕事です。認知症の人や家族、介護の人が困っているけど、まずどこに相談したらいいかわからないことが多いのですが、センターはその窓口になります。あいせい紀年病院のセンターには専用の電話回線があります。ホームページの「認知症疾患医療センター」をのぞいてみてください。

(4)地域の医療機関との協力体制、連携
地域のかかりつけの先生と、認知症について勉強会を開いたり、介護職、看護職の皆さんと事例検討会を実施します。

(5)認知症に関する情報の収集及び発信
講演会やホームページなどを通して、認知症についての情報を発信します。この「認知症よもやま話」もそのひとつです。

(6)診断後支援
聞きなれない言葉かもしれません。これまでの認知症診療では、診断をつけたものの、その後、本人・家族が不安におもう療養、生活上の支援が不十分であったという反省から、診断後等の認知症の人や家族に対する相談支援、当事者等によるピア活動や交流会の開催を行うことが求められています。あいせい紀年病院では、月1回、認知症の人と家族の会愛知県支部と共同で家族会を行っています。

 

結局、何をしてもらえるの?

以上、いろいろ書いてきましたが、一言でいうとセンターは「認知症医療、支援のための窓口」です。認知症の相談窓口としては地域包括支援センター(名古屋市ではいきいき支援センターです)がありますが、認知症疾患医療センターはより医療の側からの窓口といえます。
物忘れに加えて高血圧や糖尿病のような生活習慣病が心配、両方診てくれるところはないの?みたいな、こころとからだを総合的に支援します。もちろん、さまざまなお金の問題にも相談に応じますよ。気軽に声をかけてくださいね。
最後に連絡先、専用ダイヤルは以下のとおりです!
電話:052-821-7703

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